2019年度 日本代協臨時総会 金子会長 挨拶 2020.03.10 はじめに 本日は、新型コロナウイルスの感染防止に細心の注意を払いながらの臨時総会ご出席、誠にありがとうございます。また、日頃は全国各地で代協活動を展開していただき、改めて御礼申し上げます。直近ではコンサルティングコースの受講勧奨については、47全都道府県代協が目標を達成いただき1,468名の受講者を集めました。重ねてお礼申し上げます。 日本代協の主な取り組み さて、有史以来最大規模の被害をもたらしたあの東日本大震災が発生し9年が経とうとしていますが、南海トラフと首都圏直下型地震等の巨大地震の30年内の発生確率は高まっています。また、最近では50年・100年に一度、観測史上初めて、といった異常気象が多発しており、昨年の台風15号・19号においても各地で大きな被害を受けていますが、これがノーマルな気象になると言われています。 さらに、新型コロナウイルスの感染拡大で、イベントや移動の自粛による国内消費の冷え込みが起こっており、資金繰りに腐心するお客さまが増えてきています。政府より「新型コロナウイルス感染症対策の基本方針」の発表に続き、学校の臨時休校要請が出されたことに対応して、対策が各所にて実施されています。代理店自身の対応も災害想定だけのBCPだけではなくウイルス感染対策等も必須として、再考しなければなりません。学校閉鎖の際の従業員の在宅勤務や非対面での早期更改手続き(電話募集によるテレワ-ク対応)など新型ウイルス感染症対応マニュアル等の整備も不可欠です。 また、12月のブロック長懇談会でも申し上げましたが、これから我が国は経験したことがない人口減少と超高齢化の時代を迎えます。 そこにデジタルの加速度的進化が加わり、社会のあり方自体が大きく変わっていくことは間違いありません。業界の将来に漠然とした不安を感じている代理店も多いと思います。 代理店としての課題は次の3つと考えています。「改正保険業法への対応」、「顧客本位の業務運営」、そして「デジタル革命進展のもとでの代理店の経営戦略はどうあるべきか」の3つです。 金融庁は、「保険業法の改正」だけでは保険募集にかかるビジネスモデルのイノベーションは進まないと考え、「顧客本位の業務運営」というプリンシプルベースの枠組みを打ち出してきました。改正保険業法が求める最低基準のクリアというレベルではなく、渋沢栄一、二宮尊徳の論語・道徳や利益・経済の考え方を当てはめて、ベストプラクティスの競い合いを求めています。体制整備構築へ向けての経営努力が中途半端な代理店・募集人は「業法で排除」され、自分本位の企業文化から抜け出せない代理店・募集人は「消費者に排除」される時代なのです。 また、代理店同士がベストプラクティスを競い合い、優勝劣敗が待ち受ける「顧客本位の業務運営」を見つめ直すと、デジタル戦略は金融庁対応に匹敵する極めて重要な課題だと捉えています。代理店の日常業務のリスクに対応する「損保クラウドやそれに匹敵する仕組み」は導入済でしょうか、使いこなされていますでしょうか。 繰り返しとなりますが、今後環境は劇的に変わります。その中で、自らの変革を避け、顧客本位の実現に向けた品質向上の努力を怠れば、直ちに淘汰される時代になったことは明らかです。一緒に、組織と人の品質を磨き続けていきましょう。 特に強化したい取り組み 引き続いて、日本代協内部の最大の組織課題である会員増強について申し上げます。 最重点取り組みである「仲間づくり推進」(会員増強)については、今さら言うまでもありませんが、業界団体として一定の基盤を確保することは極めて重要であることは、皆さまと共通の認識だと思います。本年度目標の入会502会員に対して2月末時点314店の入会で、約63%の進捗率です。第4四半期に入り、1月17店増店、2月22店増店と盛り返しています。残り20日余りとなりましたが、各代協では、本年度の入会目標の達成や自主目標達成へラストスパートをかけていただき、全体の目標達成につなげたいと思います。よろしくお願いします。 また、昨年10月1日から「日本代協アカデミー」を開講しております。損保業界の品質はひとえに代理店の品質に係っており、私たち代理店は自らを磨く努力を止めることはできません。所属する保険会社で用意された「コンプライアンスと商品研修のeラーニング」の履修だけで立ち止まっている代理店は、最低基準の充足で留まっている代理店ではないでしょうか、「ロープレ研修」や「日本代協アカデミーの教育コンテンツ・情報提供コンテンツの活用によるベストプラクティスの取り込み」を「代理店の年間教育・研修計画」に盛り込んで、一歩先を行く代協会員として、高め合っていくことが顧客本位の業務運営に本気で踏み出すことになると考えます。いずれにせよ、日本代協アカデミーをチェックしないという選択肢はないと考えています。ぜひ試してみてください。 なお、福井県代協が日本代協アカデミーの利用者ID登録の三冠王基準の目標を第一号で突破しました。おめでとうございます。 おわりに 本日の全国会長懇談会では、最新情報を確認いただき、スピード感と行動力を持って三冠王達成に向けて最後の詰めをお願い申し上げます。 最後になりますが、各代協のますますのご発展と皆様方のご健勝を祈念しまして、臨時総会のご挨拶とさせていただきます。 以上