金子会長 年頭のご挨拶（年頭所感） 2022.01.05 年頭所感 会長 金子 智明 あけましておめでとうございます。 見えないウイルスに翻弄され続けて３年目となってしまいました。 今年こそは安全で平和な年になりますよう心から願っております。 変化の中で生じる保険会社とのコミュニケーションギャップ 今後我が国は未経験の構造変化を迎えることになります。デジタルの進化に伴って生産・消費のあり方も大きく変わるため、現在の延長線上に明確な未来を描きにくい環境であることは間違いないでしょう。 自分の思いとは関係なく周りが急スピードで変化するわけですから、やるべきことは変化への迅速で柔軟な対応のみであり、この点は代理店も保険会社も同じ認識であると思います。 一方、大きな環境変化の中で、代理店の将来展望や代理店と保険会社の関係を巡り、双方のビジョンや戦略の相違から、様々なコミュニケーションギャップが生じている実態があります。 本来、代理店と保険会社は強固な信頼関係をベースに、しっかりとスクラムを組んで、お客さま本位の実践と定着に向けて共に努力することが何よりも重要です。従って、様々なギャップが生じていること自体、双方にとって非常に不幸なことであり、お客さまにとっても迷惑な話となります。課題の背景や原因を共有しながら、解きほぐしていく努力が必要であると強く感じています。 課題解決に向けた自立的サイクルの確立 本会では、こうした課題解決のために、2007年度から「活力ある代理店制度等研究会（活力研）」を設置し、保険会社との間で、冷静で心ある対話を積み重ねています。また、昨年4月には金融庁保険課長と全国47都道府県代理業協会会長との意見交換の場を設け、現場の課題や悩みを行政当局に直接伝える機会を得ることもできました。今後も継続開催する予定であり、課題解決の後押しになると考えています。 存在するものには相応の理由がありますし、保険会社と代理店では、目指す方向感自体に大きな差はないとしても、立場や思いは異なりますので、思うように改善しないもどかしさを感じることは多々あります。しかしながら、本当に望ましい効果を得るためには、時間をかけてでも、筋を通し、対話を重ねて自立的に解決していくことが重要であり、そのサイクルを双方の努力で作り上げることが大切であると考えています。本会としては、今後もこの軸をぶらさず、取り組みを進めてまいります。 お客さまにとっての価値の強化 さて、様々な外部的要因が解決すれば、代理店は生き残っていけるのでしょうか。私は、それほど甘い世界ではないと思います。持続的発展のためには、お客さまにとっての自社の価値を突き詰め、高める努力が欠かせません。 本会では、そうした努力を下支えするため、独自の募集人教育システムである「日本代協アカデミー」を展開していますが、昨年12月には、代理店の後継者が企業経営の基本的なセオリーを学ぶ「代理店経営未来塾」、さらに、本年1月から、リスクベースのアプローチを学び、実践する場として「リスクマネジメント講座」を開講します。また、代協会員自身の「事業継続力強化計画認定」や「BCP策定」の支援を通した企業顧客の事業強靭化のサポート、さらには、ハザードマップやマイタイムラインの普及にも取り組んでいます。 私は、保険代理店の仕事は、お客さまの不安を解消し、安心を提供する「安心提供業」であり「不安解消業」だと考えています。リスクの回避、軽減に貢献した上で、保険をリスクファイナンスの「最後の砦」と位置付けることができれば、お客さまにとっての代理店の存在価値と保険契約の持つ価値はさらに大きく高まることになります。こうした認識の下で、お客さまから信頼され、選ばれる代理店の育成に、全力で取り組んでまいります。 Go for it! 大丈夫、いけるよ、チャレンジしようよ！ 私の趣味であるサーフィンの世界では、よく”Go for it！”という掛け声をかけて励まし合います。大丈夫、やってみようよ、躊躇せずに自分で前に進もうよ、という意味合いの言葉です。 変化の激しい時代は、明確なミッション（使命）、理念（組織の座標軸）、ビジョン（実現可能な将来像）に裏打ちされた経営者の覚悟と本気度が強く問われますが、もう一つ大事な要素が「行動力と実行力」ではないかと思います。 明確な将来は見通せないにしても、5年先、10年先にこんな企業でいたい、こんなお客さまに囲まれていたい、一緒に働いてくれる仲間にはこうなって欲しい、そうした将来像を自社なりに定めた上で、変化する大波にチャレンジし続ける代理店でありたいと思います。 代協には「集い、語らい、高め合う」風土が根付いています。本年も全国の仲間と力を合わせ、”Go for it！”の精神でチャレンジしていく所存です。 皆さまのご理解とご支援をどうぞよろしくお願い申し上げます。 以上
