小田島会長 年頭のご挨拶(年頭所感) 2024.01.05 年頭所感 会長 小田島 綾子 あけましておめでとうございます。 2024年を迎えるにあたり、所感を申し述べ、新年のご挨拶に代えさせていただきます。 はじめに、日頃より代協活動にご尽力いただいておりますこと、心よりお礼申し上げます。 また、昨年11月の日本代協コンベンションは、式典から講演会、そして4年ぶりの懇親会の開催が叶い、全国の皆様から「集い、語らい、高めあう」時間を楽しんでいただいたこと、大変嬉しく思っております。ご協力をありがとうございました。 昨今の経済環境 さて、長期化する世界的なインフレ、現在も続く戦争による経済リスク、各地を脅かす大規模な自然災害や異常気象など、環境は厳しさを増しています。 新型コロナウィルスが5類感染症への移行となり、社会経済活動が静から「動」へ変わった中、全産業に対し、働き方改革、継続的な賃上げ、生産性を高め、効率化を進める方向へと、さらなる企業変革が求められる状況です。 そのキーワードとして、生成AIの活用をはじめとしたテクノロジーの促進、デジタル化、多様化、など新たなビジネスモデル、価値観が次々と入り、市場(マーケット)を塗り替えています。ビジネスの進化とリスクの両面で保険業界にも多様な影響をもたらしています。 気候変動による災害リスクの拡大も放置できない状況であることはご承知の通りです。 頻発する災害によって保険料は上昇、プロテクションギャップといった問題についても国際的な論議が続いています。 そして損害保険業界においては、昨年、保険会社の相次ぐ不祥事の報道に、お客様と時間をかけて築いてきた、尊い信用や信頼が損なわれるのではないかという不安を抱きながら、代理店の私たちはガバナンスやコンプライアンスなど、より厳しく職業倫理に対する考え方、課題を見つめる時間だったことと存じます。 日本代協としては、これらの問題に対し、継続して厳しく注視するとともに、日本損害保険協会、保険会社各社、行政当局との接点をしっかりと維持してまいります 代理店の存在意義 この社会変容に直面しているのは代理店だけではなく、私たちのお客様も同様です。 従来の発想から脱却し、人材を確保し、一人ひとりの働く能力と意欲を高め、生産性を上げ、利益に繋げるサービスを生み出していけるのか、組織を停滞させずイノベーションを起こし続けられるかの挑戦をしています。 損害保険代理店には、このようなお客様のビジネスを後押しする役割があると考えます。 単に保険商品を提案、販売するのではなく、挑戦に伴って発生が予測される様々なリスクからお守りするのが私たちの使命です。リスクマネジメントの勉強に終わりはなく、その使命を果たすためには、お客様視点で現在の環境や状況を見つめ、自社の企業価値を高めていく努力も欠かせません。Z世代とも共有できるこの仕事の魅力やホスピタリティの仕組みなど、投資を継続していくことが、5年、10年先の将来にも大きな影響を及ぼすのではないでしょうか。 代協の存在意義 80年以上、幾多の歴史を乗り越え、現在約11,000社の会員で構成される代協の存在意義は何でしょうか。私は次のように考えています。 日本代協は、代協会員皆様が地域に根ざし、その力を存分に発揮してお客様から選ばれるべく、資質向上や代理店の価値向上につながる取り組みを時流に合わせ推進してきました。代理店業界の未来を創造する人材育成にも注力をしています。 昨年9月と12月の全国会長懇談会では、支部活動について取り上げディスカッションしました。若手の活躍、リーダーシップの多様化、ワクワクする学びたくなる企画運営、地域との接点作り等、取り組みのヒントとしていただければ幸いです。 業界最高峰、安心のブランドでもある、損害保険トータルプランナーを輩出するコンサルティングコースの受講勧奨、代理店の教育インフラである日本代協アカデミーの活用、経営者をサポートする事業継続力強化計画認定の推進など、どの施策も取り入れ、事業に活かすことは、募集品質の向上やお客様サービスを充実させます。 しっかりと環境認識を行い、自社経営課題の深掘りや解決策に活かすためにも、代協から発信される情報をご活用いただきたいと存じます。 47都道府県代協の独自活動も魅力がたくさんあります。環境や地域テーマを捉えたセミナーの企画運営は、大変意義が深く、防災や減災に関連するものなど社会課題の解決に協力、支援、地域を良くする、信頼を深めるなど、自社事業の延長線上にある取り組みが盛りだくさんです。そして、活動を通じて得られる仲間との交流はかけがえのないものであり、かけがえなく、同じ業界をより良くしていく、このような価値を多くの会員に実感していただけるように、組織運営に注力してまいります。 結びに 今年の干支は甲辰(きのえたつ)です。「春の温かな日差しがすべてのものに降り注ぎ、成長と変化を誘う年になる」と言われております。 多様性の時代、答えは一つではありません。どのような環境の中でも自らの力を発揮する、成長は変化の中にあるのかもしれません。描く経営スタイル、未来を実現するために、共に学び、進んで参りましょう。 新しい年が、会員皆様にとって大きな飛躍の年となりますよう、そして皆様と社員の方々、ご家族様にとって健やかな1年になりますことを心よりお祈り申し上げます。 本年もよろしくお願いいたします。 以上